介護の仕事をしていると、利用者やその家族に過剰なサービスを要求されたり、いわれのないクレームをつけられたりすることはめずらしくない。また、認知症の利用者がいる施設では、暴言を浴びせられたり、暴力を振るわれることもしばしば。しかし、怒りの感情をストレートにぶつけてしまうとトラブルになりかねないので、ここでは怒りの感情をコントロールする方法について共有したい。
怒りの感情をコントロールする際に最近よく用いれられているのが「アンガーマネジメント」という方法だ。アンガーマネジメントでは、まず怒りを感じたら、6秒カウントして気持ちを落ち着かせることを推奨している。
次に、怒りを客観視するために、怒りを点数化するのだ。そして、過去と比較して、怒りの度合いを分析する。また、人が腹をたてる時には「◯◯すべきだ」という価値観が働いてしまうため、そのこだわりを捨てなければならない。価値観には個人差があるということを認めると、理解してもらえないことで感じる怒りや苛立ちは軽減されるそうだ。
そして、これらを試してみても怒が収まらない時には、その場から離れるようにすること。怒りをぶつけたい相手から距離を置けば、感情を抑えやすくなる。一人になれるような場所や屋外に出て、心をクールダウンさせることで気持ちが落ち着くだろう。これらの方法は、難しいテクニックも道具も必要ないので、怒りを覚えた時にはぜひ実践してみてほしい。